新築なのに冬にエアコンをつけても寒いのはイヤ!
家の断熱性能は重要です。
しかし、基礎知識がないまま家づくりをすると・・・ハウスメーカーの営業トークに踊らされてしまうかもしれません。
結論、断熱等級5以上であればハウスメーカーによって異なる性能の差は体感しづらい!というのがりすみんの見解だよ
この記事では、これから家を建てる人が知っておくべき断熱の基礎知識をわかりやすく解説します。
この記事を読むメリット
- ハウスメーカーに振り回されない
- 断熱に必要な仕様を見極められる
- 2分で断熱のキホンがわかる
この記事を読めば、ハウスメーカーを選ぶ前に抑えるべき断熱のポイントがわかります。
- 熱は温度が低い方へ移動して、マドから逃げる
- 新築は断熱等級5以上であれば、細かい数値にこだわらなくていい
- アルミ樹脂複合サッシ+ガス入りLow-E複層ガラスがおすすめ
寒い新築を回避するための知識をサクッと知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 元ハウスメーカー営業
- 宅地建物取引士
- インテリアコーディネーター
- 声ブログ発信中@stand.fm
新築を暖かい家にする断熱の基礎知識
暖かい家にするには、断熱の知識が必要です。
細かい性能や数値にこだわる前に、断熱のキホンを理解しましょう。
- 熱は移動する
- 熱はマドから逃げる
断熱の基本知識を2つに絞って、わかりやすく解説していきますね。
熱は移動する
熱は、温度が高い方から低い方へ移動します。
冬に暖かい空気が外へ逃げてしまい、夏に暑い空気が入ってくるのは熱の原理。
- 冬の暖房で温められた空気は、室内から室外へ
- 夏の冷房で冷やされた空気は、室内から室外へ
暖房をつけても寒いのは、暖かい空気=熱が外へ移動してしまうからですね。
反対に、外へ移動する熱が少ないほど暖房の効きが良くなります。
断熱を超カンタンにいうと、熱の移動を少なくすること
断熱性の高い家は、熱の移動が少なくなる。
だから、冬でも暖房が効きやすい暖かい家といえます。
断熱材は熱の移動を少なくするためにある、と覚えておいてください。
熱はマドから逃げる
戸建てで熱が逃げやすいのは、窓などの開口部。
冬は約6割の熱が開口部から外へ流れてしまいます。
窓は、サッシ枠とガラスの組み合わせ。
サッシ枠とガラスの仕様は、熱が逃げやすいかどうかに直結します。
- サッシ枠が熱を通しにくい素材か?
- ガラスは2枚以上の複層ガラスか?
断熱性の高い窓は、暖かい空気を外へ逃がさない工夫がされています。
暖かい家にするには、熱を窓から逃がさないことが大切
熱の出入りが多い窓は、断熱性を左右する重要な部材。
大きい窓がたくさんある間取りは、暖かい空気が流出しやすいということ。
反対に窓が少ない間取りは、熱の出入りが少なくなります。
暖かい家にするための仕様を選ぶステップ
冬に暖かい家にするための仕様選び3ステップです。
家を建てる地域にあった断熱仕様を選びましょう。
Step1 断熱の地域区分を調べる
まずは、お住まいの地域区分を調べます。
断熱は地域にあった仕様にするよう法律で定められているから。
大手ハウスメーカーは、建築エリアによって断熱のグレードが分かれます。
断熱の地域区分とは?
下記サイトは都道府県と市町村を選択し町名を入力するだけで、地域区分がわかるので便利。
▼窓の対象地域を検索する▼
例えば…九州で東北並みの断熱仕様にするのは過剰スペック
例えば、東京23区は地域区分で「6地域」ですね。温暖な地域ほど数字が大きくなります。
数字が小さい寒冷地は、断熱をいい仕様にする必要があるということ。
Step2 断熱等級を知る
つぎに、断熱等級をチェックしましょう。
断熱の仕様をどこまで求めるか?を判断する基準になります。
断熱等級とは?
簡単にいうと断熱の基準を国が定めたものが、断熱等級。
CO2削減のため、国が省エネルギー住宅を推進しているという背景も。
等級が高いほど、求められる断熱のグレードがアップします。
等級 | 概要 |
---|---|
等級7 | HEAT20の概ねG3グレード |
等級6 | HEAT20の概ねG2グレード |
等級5 | ZEH水準の断熱基準 |
等級4 | 平成28年省エネ基準 |
等級3 | 平成4年省エネ基準 |
等級2 | 昭和55年省エネ基準 |
等級1 | 昭和55年省エネ基準に満たない |
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略。大幅な省エネと再生可能エネルギーの導入をセットで行う住宅。
ZEH水準よりも厳しい断熱の基準。1〜3のグレードがある。
2025年以降、すべての新築は断熱等級4以上が義務化されます。
これから新築する人は等級5以上が目安だね
細かい数値よりも、その地域にあった断熱性能が等級5以上は取れているか?を押さえることが重要だと考えます。
注文住宅はフルオーダーで、同じ家はひとつしてありません。
- 間取り
- 窓の大きさ
- 開口部の数
- 日当たり
- 構造躯体
- 断熱仕様
- サッシ
厳密にいえば、一邸ごとに数値を測定しないと数値をクリアしているかどうかが分からないからです。
Step3 断熱材の仕様をチェック
標準で使われている断熱材の種類と施工方法を確認しましょう。
断熱材は種類+施工とセットで断熱効果を発揮するからです。
断熱の仕様を選ぶポイントを2つにまとめました。
- スキマなく施工
- 熱を逃さない素材
スキマなく施工
家を断熱材で包むと、暖かい家になります。
保温性の高い魔法びんと同じような原理。
断熱材ですっぽり包めば、暖かい空気が外へ逃げにくくなる。
断熱性を高めるために、家全体をスキマなく断熱材で覆う必要があります。
- 屋根
- 天井
- 外壁
- 床下
外気温の影響がある部位に、断熱材を充填(じゅうてん)する。
建築でいう充填とは、隙間や穴に材料を詰めること。
断熱材にスキマがあると温度差で結露しやすいよ
断熱材の施工が悪くスキマがあると、そこから熱が出入りしてしまいます。
断熱材の素材だけでなく、施工方法も必ずチェックしましょう。
熱を逃さない素材
熱を逃さない素材はいくつかあります。
断熱材の種類によってメリット・デメリットがありますが、厚みや施工でカバーすることができます。
主要な断熱材について、特徴をざっくりまとめました。
素材 | 特徴 |
---|---|
グラスウール | ・コストが安い ・耐火性がある ・湿気対策が必要 |
ロックウール | ・燃えにくい ・吸音性がある ・湿気対策が必要 |
ポリスチレンフォーム | ・結露しにくい ・軽くて施工しやすい ・耐火性が弱い |
ウレタンフォーム | ・耐湿性がある ・軽くて弾力性がある ・シロアリに弱い |
フェノールフォーム | ・耐火性に優れている ・薄くて断熱性が高い ・コストが高い |
ハウスメーカーに対して断熱材を指定することは、ほとんどありません。
例えば地元の工務店で断熱材の標準仕様が気に入らず、変更することはあり得ます。
素材も重要だけど…やっぱり施工がとっても大切!
ちなみに大手ハウスメーカーによく採用されているのが、グラスウール。
- ガラス繊維の密度
- スキマのない施工
- 性能を高める厚み
グラスウールの弱点である湿気対策はされているか?
沈んだり、よれたりしないような施工がされているか?
ハウスメーカー選びで重要なのは、性能だけではありません。
▼ハウスメーカーの選び方について、詳しくはこちらを参考にしてください▼
Step4 窓の仕様をチェック
窓のチェックポイントは2つ。
- サッシの種類
- ガラスの仕様
窓はサッシとガラスのセットです。
断熱性を高めるには、サッシとガラスの組み合わせを重視しましょう。
サッシの種類
サッシの種類によって、断熱性能が変わります。
例えば、アルミは熱を通しやすいので断熱性は低いといえます。
大手ハウスメーカーでは、アルミ樹脂複合サッシが主流
サッシの種類 | 特徴 |
---|---|
樹脂 | ・結露が発生しにくい ・紫外線に弱く劣化が早い |
アルミ樹脂複合 | ・アルミと樹脂いいとこどり ・コストが高い |
木製 | ・天然素材 ・メンテナンスが必要 |
アルミ | ・軽くて耐久性がある ・結露しやすい |
スチール | ・耐火性に優れている ・気密性が低い |
アルミ樹脂複合サッシとは、室内側を結露しにくい樹脂、室外側を耐久性の高いアルミで構成された断熱サッシのこと。
イメージ図の赤い部分が樹脂、青い部分がアルミです。
ガラスの仕様
ガラスの仕様によっても、断熱性が大きく変わります。
単板ガラス>複層ガラス>Low-E複層ガラス>ガス入りLow-E複層ガラス>Low-Eトリプルガラスの順で、熱を通しにくいです。
また複層ガラスの間にガスが入ると、さらに断熱性能が高くなるのもポイント。
トリプルガラスにするとサッシ自体が重くなるから注意!
特殊な金属膜を持つガラスは、Low-Eガラスと呼ばれています。
- 夏の日差しをカットする
- 冬の陽だまりを取り込む
日差しに合わせてガラスを選択しましょう。
まとめ:暖かい家にするには窓&壁の断熱仕様が重要!技術カタログを入手しよう
この記事では、新築を冬に暖かい家にするための断熱の基本知識を解説しました。
断熱は数値だけを追い求めるのではなく、間取りなど家全体として捉えるのがオススメです。
- 熱は温度が低い方へ移動して、マドから逃げる
- 新築は断熱等級5以上であれば、細かい数値にこだわらなくていい
- アルミ樹脂複合サッシ+ガス入りLow-E複層ガラスがおすすめ
性能だけを売りにするようなハウスメーカーは要注意。
暖かい家にしたい人は、気になる会社の資料請求から始めましょう。
▼オンラインで資料請求をしたい人は、こちらの記事を参考にしてください
断熱の詳しい仕様は『技術カタログ』で確認できるよ
オンライン資料請求の備考欄に「技術カタログ希望」と明記しましょう。
この記事が、寒〜い冬に暖かい家を建てる参考になったら幸いです。
\無料!かんたん入力ネット一括依頼/